うぴうぴうぴ子のホラー日記

ホラー映画大好きうぴ子の映画記録(現実世界の方がホラーレベル高くて怖いホラー映画がないこのごろ)

イタリア版『シンデレラ』TVミニシリーズ ネタバレ感想

Cenerentola (TV Mini-Series 2011)
おススメ度/★★★★★

必要なのは魔法ではなく、努力と真実を伝える勇気だけ!枯れた心もときめくイタリア版シンデレラ

オーロラを演じるバネッサ・ヘスラー(Vanessa Hessler)の魅力が半端ないイタリア版シンデレラを観ました。

なぜにシンデレラ??ホラー映画ブログとして始めたはずのブログですが、予想通り雑食になってきました…。

なぜシンデレラかと言うと、直前に鬱な映画を立て続けに観て口直しをしようと思ったためです。"何か明るいの"という軽い気持ちで選んだのですが、瞬く間にその世界観の虜になってしまいました!


舞台はイタリアで初の国営放送が流れた1954年。主人公のオーロラは音楽家を父に持ち、なくなった母親と同じピアニストになるのを夢見る13歳の少女。ある日隣のお屋敷の庭園に迷い込んでしまったオーロラはそこで出会った青年と初めての恋に落ちます。運命のいたずらで同じ日に父親が急逝。再開の約束をしていた隣の青年も突然引越していなくなってしまいました。そして継母はオーロラにピアノを弾くことを禁じ、ホテルに改装した実家で働くように命じます。

それから7年が流れ、美しく成長したオーロラはホテルでこき使われながらも、ピアニストになる夢を諦めずにいました。そんなある日、初恋の彼が再び隣に引越してきたのです。ホテルの客である、資産家であるクーパー夫人のはからいで、憧れの彼が主催する仮面舞踏会に参加できることになったのですが…


【登場人物】


オーロラ

13歳のオーロラと20歳のオーロラの二人の役者さんが出てくるのですが、13歳のオーロラを演じた美少女、なんか見たことあるなぁ〜と思っていたら、ゲームオブスローンズ (Game of thrones)でエラリア・サンドの三人娘の1人、タイエニーを演じたRosabell Laurentiでした!



そして20歳のオーロラを演じたバネッサ・ヘスラーたんがこちら!

正統派美人でありながら、健康的な美しさと妖艶な美しさもあるという完璧な美女!しかも、抜群のプロポーション!まさに非の打ち所がない美人なのです。そんな人がはつらつとシンデレラを演じていたら虜にならないわけがないでしょう〜


セバスチャン

本作では王子ではなく、やり手の実業家の跡取り息子であるセバスチャンが恋の相手。物語を書いたりとメルヘンな一面とテレビの契約に躍起になる実業家としての顔を持つ。だがとにかく目が節穴!!


ティナ嬢

セバスチャンの取引先の一人娘であるティナ。ショッピングとパーティが大好きなお嬢様。オーロラのライバルであるかに見えて実はそうでもない…。もうちょっと中身のある子だったら、あんな結末にはならなかったのにねぇ。


魔法使いのおばあさんとネズミ達

魔法の出てこないシンデレラですが、ストーリーは原作をきちんとベースにしています。もちろんシンデレラを助けてくれる魔法使いのおばあさんは、アメリカ人資産家のクーパー夫人。そしてネズミ達は可愛い男の子達!この子たちが本当に天使で癒されました。


継母と継子たち
脱税してるし、オーロラからピアノと遺産を取り上げたりともちろん悪い継母なのですが、ホテルでオーロラに夜な夜な客を取らせたりとか、肉体的な拷問はしたりしないので、優しいほうです。



幸せに必要なのは魔法ではなく、真実を伝える勇気
本作は魔法が一切登場しないシンデレラです。原作では魔法でシンデレラは幸せを掴みましたが、こちらでは魔法ではなく、努力と真実を伝える勇気が、幸せを掴む鍵になっています。とても現実的なんですね。

仮面舞踏会でオーロラはセバスチャンの心を見事鷲掴みにするのですが、困ったことにセバスチャンは"仮面舞踏会でのオーロラ"に恋してしまうのです。盲目の恋に落ちたセバスチャンはすぐ隣にいるオーロラが彼女だとは夢にも思いません。どんだけボンクラなの!?

そして、盲目に恋するセバスチャンを幻滅させたくなくて真実を伝えられないオーロラ。せっかく仮面舞踏会でセバスチャンの心をつかんつかんだと思ったのに、あろうことか"あの日の自分"が最大のライバルとして立ちはだかってしまうのです。(最初からティナは場外なんですよね。)


そして、もう一人真実を伝える勇気がなく悩んでいるのがクーパー夫人。オーロラの実の祖母であることを言い出せずにグズグズしています。似た者同士!

グズグズしている内に、2人の秘密は最悪の形で秘密を暴露されてしまいます。

セバスチャンに失望され拒絶されるオーロラと、オーロラに拒絶されるクーパー夫人。この二人がシンクロしてるのが面白い。
果たしてこの困難をどう乗り切るのか!?


もう一つの見どころ


それが、ホテルで働くシェフとメイドの中年カップルの恋。シェフのロモロも、愛を告白する勇気がなくてグズグズしていました。2人の恋模様も良いですよ。



恋愛モノが苦手な人にもオススメ

何よりも驚きなのは、恋愛モノは基本観ないこのうぴ子の胸が最高にときめいてしまったこと!これは枯れたハートを持つ方たちの心にも響くのでは!?と思ってしまいました。

他にも、オーロラやクーパー夫人のファッションもとてもお洒落!キッチンのお料理はどれも美味しそうだし、ただおしゃれなだけじゃない、生き生きとした生活感が溢れるローマの街も素敵でした。


結末ネタバレ


最後は最高のハッピーエンドを迎えるオーロラですが、このオーロラのハッピーエンドはオーロラの母親と対比させているように思いました。

オーロラの母は父と結ばれるために全てを捨てました。キャリア、肉親と資産(勘当されたことにより)、そして最後は命まで。

それに対しオーロラは、これからの輝かしいキャリア、肉親と資産(ホテル、クーパー夫人の財産)、愛する人の全てを手に入れました。

大恋愛の果てに結ばれるストーリーはどちらかというと、女の側が家やら、何やらを捨てなければいけない場合が多いですが、オーロラは何も捨てることなく、むしろセバスチャンに全てを捨てる覚悟をさせ、逆に全てを手に入れたのです!

これぞ女性の鑑ではないでしょうか?

これ以上にないハッピーエンドにかなり胸が熱くなりました。たまにはハッピーエンドもいいものですな。