うぴうぴうぴ子のホラー日記

ホラー映画大好きうぴ子の映画記録(現実世界の方がホラーレベル高くて怖いホラー映画がないこのごろ)

海外ドラマ『シャープ・オブジェクツ KIZU-傷-』ネタバレ感想

Sharp Objects (2018)

まったりたっぷり焦らしプレイ系毒親ドラマの衝撃のラスト3分とはいかに

Amazonプライム・ビデオのおススメに表示されていたので観てみました。あのGOT(ゲームオブスローンズ )と同じ、HBO制作のドラマです。

うぴ子はこれまでにHBOのドラマはGOTしか見ていなかったので、冒頭の砂嵐の中にHBOの文字が浮かんでジャーンみたいな音がなる映像を見るたびに、GOTが始まる錯覚に陥ってしまいました。


簡単なあらすじ

記者である主人公のカミール・プリーカー(エイミー・アダムス)が連続少女失踪事件の取材のために、忌まわしい記憶のある故郷の田舎町に帰省することになります。

取材を通して過去の因縁や、母親との確執、年の離れた妹との微妙な関係、田舎町特有の閉鎖的で陰湿な感じなどなどが描かれていきます。そして、宣伝にもあるように"衝撃"のラストを迎えるわけですが…



※以下ネタバレ注意


主要人物

カミール・プリーカー(Emy Adams)
アル中で自傷癖のある記者、美人設定

アドーラ・クラリン(Patricia Clarkson)
カミールの母親、地元の名士でありながらミュンヒハウゼン症候群を患った毒親

アマ・クラリン(Eliza Scanlen)
カミールの異父妹、母親に溺愛されている。母親の前ではいい子ちゃんを演じているが不良少女。

リチャード・ウィリス(Chris Messina)
都会からきた刑事、よそ者扱いされている。カミールといい感じになる。


その他もろもろ


主人公のカミールさんがアル中で病んでるし、母親のアドーラは登場した瞬間から毒親オーラ全開だし、妹のアマは可愛くないし、住人たちは癖があるしで、1話目から『あーなんかありそう』感がハンパないです。

しかし、ドラマのテイストは非常にまったりとしているので思わせぶりなシーンが延々と続き、なかなか進展しません。前半は田舎の住人達の陰気なスローライフを楽しむ感じです。

この田舎の住人たちの描き方がなんとも典型的です。カミールの元同級生のBBAビッチーズの楽しみは女子会。いつも同じメンバーでつるんで悪口や愚痴大会に明け暮れております。

あんな女子会だったらカミールじゃなくても居心地悪くて即退散したくなりますね。特に『カミールは子供を産んでないから私たちの気持ちはわからないのよ』的なセリフはかなり気持ち悪いものを感じました。日本でも子供を産んだだけで偉いと勘違いしてる母親ってたくさんいますよね。

田舎の描き方が典型的な感じでつまらなく感じたのですが、みんな妙にこぎれいで肥満体型ではないのがリアルさに欠けると思います。実際はもっと肥満体型だらけじゃないでしょうか?

カミールを見た住人が全員、きれいだきれいだ、と褒めるのが違和感半端なく…カミールさんは体型も締まりがなく、顔もすさんでいるので全然きれいじゃないんですよね。田舎の住人を超肥満体型で描けばちょっとは説得力が出たのではないかと思います。


うぴ子的にはアシュリー(Madison Davenport)が可愛くて目の保養になりました。


とにかくカミールさんは病んでいて、自傷癖が治らず体中謎の文字だらけなのですが、あの文字は一体どうやって書いたのか!?と激しく疑問です。鏡を見ながら書いたとしても逆さまになってしまうし、純粋にすごい器用だな、と思いました。

うぴ子には自傷癖は一切ないのでよくわからないのですが、自傷癖は一種の防御反応なのだそうです。

毒親から受けた毒(無関心と無理解)をカミールさんは自分の体で発散していたということですね。


一方で妹のアマはカミールに対するのとはまた違う"毒"を母親から受けていました。

アマに対する毒は溺愛と本物の毒物。体も心も蝕まれたアマさんは、カミールとは違ってこの毒を外に放出させていました。

内向的な姉と外向的な妹。とても対照的な2人ですが、どちらかといえば前者の方が周りへの迷惑がなくて良いですね。


終盤は一気に話が進み、カミールはアドーラがミュンヒハウゼン症候群であることを証明するためにアドーラにわざと看病させるのですが、このシーンがとても気持ち悪いのです。

いい年したBBA(カミール)が母親に甘える姿を見てゾワゾワしました。母親にとってはいくつになっても子供は子供、なのでしょうがそれにしてもキモすぎる。


まぁ、そんなこんなで肝心の衝撃のラストなのですが、アマが養豚場で子豚を連れて行くシーンがあったりと(おそらく虐待していたのではないでしょうか?)アマが怪しいことは途中で気づいてしまうと思います。

なので、衝撃のラストに期待するよりも、毒親のネチネチした感じとか、病んでる人の鬱々した感じとかをのんびり観たい人にオススメのドラマかと思います。

毒系に興味がある方なら、同じくミュンヒハウゼン症候群を題材にした『グラスハウス2』や、毒母が怖い『私が壊される時』、『ババドック』などもおすすめです。


他にもサイコや13日の金曜日なんかも毒親系ですよね。あれ、そう考えると映画の中の病んでる人の殆どの原因って毒親じゃないですか!ホラー映画の不滅のテーマなのかもしれませんね、毒親って。


それにしても毒親って近年のブームなんでしょうか?日本でも心療内科は人気すぎて大混雑しているようですし、皆んなどこかしら病んでいるのか、それとも病んでいると思いたいのか、はたまた病んでいると思わせたいのか!?

なんとなく近年の毒親発達障害、コミュ障などのブームは商売の香りがプンプンするような気がするうぴ子でした。


あーローラースケート楽しそうだなー