映画 『ババドック 暗闇の魔物』
Babadook (2015)
おススメ度/★★★★☆
あらすじ
くたびれたシングルマザーとその息子(7歳)の物語。息子の誕生と同時に夫を亡くしたシングルマザーのアメリアは死後7年経ってもまだ立ち直れずにいた。息子・サミュエルのいたずらは手に負えず、学校からも問題児扱いされてしまう。ある晩、サミュエルが本棚からババドックと書かれた不気味な絵本を見つける。ババドックを読んでからというもの、親子は奇怪な現象に襲われ始める…
うぴ子の感想
7歳の母親には思えないほど老けた女優さん(Essie Davis)が、夫の死から立ち直れずストレスと孤独で精神がギリギリの母親を良く演出してると思います。
ちなみにこの女優さんGOTでアリアを介抱してくれる旅芸人の女優役で出てましたね。
ダークグレーの壁が家全体を重苦しい空気にしています。母親はピンクの服を着て母親らしく女性らしく頑張ろうとしてますが、心の色はダークグレーの壁紙そのもの。
正直、こんな重苦しい雰囲気の家になんて遊びにも行きたくないです。妹さんが愛想をつかすのも納得です。
うぴ子的に地下室に夫の遺品が保管してあるのがドン引きでした。
早く断捨離しろ!
ババドックは過去をひきずって前を向けない母親の心の象徴。この絵本の作者は過去にライターをしていたという母親自身でしょう。
この母親は子供のことを見ているようでいて、実は全く見ていません。心はいつも過去を追っています。だから息子の誕生日よりも夫の命日を優先して、誕生日パーティーを当日には行わない。
妹の意見も耳に入ってきません。
いとこのママ友達の中でも一人だけくたびれて浮いています。やっぱりお母さんはこれくらい綺麗でいて欲しいですよね。
母親からの愛を得られないサミュエルは母親の関心をひきたくて、色々ないたずらをするのですが、周りからは理解されず問題児扱い。
『ママ!僕を見て!』
ことの元凶である母親からも『普通の子になって』と言われる始末。あわれなサミュエルは極度のストレスから発作を起こしてしまいます。
心の闇をさらけ出した母親の息子への暴言がとにかく酷い。この母親は毒親以外の何者でもないですよ!
サミュエルは一生の心の傷を負ったと思います。酷い言葉で罵られても一途に母を愛するサミュエル…。
子供を産むんだったら、"どんなことになってもきちんと無償の愛を持って育てる"という覚悟を決めて産んで欲しいです。
そしてあんなにくたびれるまで働かなくてもいいように、お金のこともきちんと考えておくべき。それが出来ないなら産むべきじゃない。
シングルマザーは大変…って意見もあるかもしれませんが、産んだからには何がなんでも育てる責任が親にはあります。
なぜなら親には産まない選択もあったからです。
ラストのシーンはうぴ子的にはもやもやです。一見ハッピーエンドのようですが、毒親が毒を抱えたまま子供を育てていくことになるわけですから、息子くんの将来が心配です。
色々考えさせられる物語でしたが、普通ににホラー映画としても楽しめると思います。
コンポストと化したわんわんに合掌!
もし、この映画を見てサミュエルに手をあげたいとか思った人は毒親の可能性があるので、一度毒親について調べた方が良いと思います。うぴ子はAmazonのレビューにたくさん、サミュエルがうざいとか、手を上げない母親は偉いとか、酷い言葉を見かけて悲しくなりました。